1日100本抜けても大丈夫?!ヘアサイクルについて解説!

ヘアサイクル

こんにちは。ゆうです。

さて今回は「頭髪基礎知識」編。
髪の健康や美しさを保つうえでとても大切な「ヘアサイクル(毛周期)」について少し専門的な視点からお話しします。

「最近抜け毛が増えた気がする…」
「昔より髪が細くなってきたかも…」
そんなお悩みの背景には、髪が持つ寿命や生まれ変わりの仕組み(ヘアサイクル)が関係しているかもしれません。

実は、毛髪にも「一生」があります。
肌のターンオーバーと同じように、髪にも一定の周期で生まれ変わるヘアサイクルというものが存在しています。

そのため一般的に、健康な頭皮でも1日に100本くらいの髪の毛が抜けていきます
抜け毛はヘアサイクルとして正常なことなのです。

ヘアサイクルとは?

植物

ヘアサイクルは毛髪の一生のようなものです。
植物で言うと、

種から芽が出て→花が咲いて→枯れて→土に種を残し→また新たな芽が出て→・・・

というような感じで、毛髪が生えてから抜けていくまでの過程のことです。

ヘアサイクルでは、
・成長期
・退行期
・休止期

という3つの段階で構成されています。

ヘアサイクル

成長期

成長期。
毛髪がぐんぐん伸びる時期です。
一般的に2〜6年くらいあります。

この期間、毛母細胞という細胞が活発に分裂し、髪の毛が根元からどんどん伸びていきます。
1日に約0.3〜0.4mm、1ヶ月で1cm前後伸びるのが一般的です。

毛髪の約85〜90%がこの「成長期」にあり、髪のボリューム感や見た目の豊かさはこの時期に大きく影響を受けます。

退行期

退行期。
成長が止まって毛髪の根元の組織が小さくなっていく時期です。
一般的に2〜3週間くらいあります。

毛母細胞の分裂はストップし、毛包(毛根を包む組織)は徐々に縮小し、髪が抜ける準備に入ります。
退行期にある毛髪は、毛髪全体のうちの約1%ほどです。

休止期

休止期。
髪が自然に抜ける時期です。
新しい毛髪が準備されて、毛包の奥では次の成長期が始まる準備が進んでいます。

毛髪全体のうち10〜15%が休止期にあるとされていて、1日あたり50〜150本程度の抜け毛があるのはヘアサイクルが正常に働いている証拠です。

ヘアサイクルは年齢とともに変化する

実はこの毛周期、年齢やホルモンバランス、生活習慣、ストレスなどの影響を受けて変動します。
どんな変化があるのか見てみましょう。

年齢による変化

年齢を重ねると成長期が短くなり、髪が十分に太く長く育つ前に退行期・休止期へと移行してしまう傾向があります。
せっかく髪が生えてきてもしっかりと伸びきる前に髪が抜けていってしまうことがあります。
結果として、髪が細くなる・ボリュームがなくなる・地肌が透けやすくなるといった悩みが出てきやすくなります。

また、女性は更年期以降、女性ホルモンの分泌が減少することにより、髪のハリ・コシ・密度に変化を感じやすくなります。

ホルモン異常

男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンは、ヘアサイクルのうちの「成長期」を短くしてしまうことが知られています。
いわゆるAGA型の脱毛症です。

また、生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れると、ヘアサイクルに悪い影響を及ぼすことがあります。
運動、睡眠、食生活などなど、おろそかにしてしまうと、将来の毛髪に何かしらの影響が出てしまうかもしれません。

ストレス

ストレスによる影響も考えられます。
毛髪に関わらず、ストレスは本当にいろんな悪影響が懸念されていますね。
動物実験等でストレスによるヘアサイクルの乱れが指摘されており、過度なストレスは毛髪に対しても良くない影響があると言えます。

ストレスから逃れることは難しいですが、少しでも減らすために食事、睡眠、運動、コミュニケーションなど、出来ることから始めてみるのも良いかもしれませんね。

ヘアサイクルを健康に維持するためには?

では、髪のライフサイクルを健やかに保つためには、どんなケアや生活習慣が大切なのでしょうか?
研究者としての視点から、以下のようなポイントを挙げられます。

頭皮環境を整える

健康な毛髪は健康な「頭皮」から。
頭皮の状態は毛髪の成長に直結します。

  • 余分な皮脂や汚れを残さないよう、適切な洗浄力のシャンプーで毎日頭皮を清潔に保つ
  • シャンプー時に軽くマッサージするように洗うことでで血行を促進し、毛母細胞に栄養を届ける
  • お風呂上がりには頭皮も乾燥しやすくなるので、お肌のケアと同じように頭皮もしっかりと保湿

栄養バランスの取れた食事

髪の主成分であるケラチンはタンパク質から作られます。
外から補うだけでなく、しっかりと身体の内側からタンパク質を取り入れることも大切です。
私たちの身体にとって髪は、命に関わる組織ではないですよね。
タンパク質が私たちの身体の中の重要な組織から優先的に使われていくので、髪は後回しにされがち。
髪がキレイだと、身体も健康な証拠と言えるでしょう。

睡眠とストレス管理

良質な睡眠も毛髪にとって大切なこと。
成長ホルモンの分泌によって毛髪にも良い効果が期待できます。

また何事にも言えることですが、ストレスも毛髪の成長にとっては大敵。
過度なストレス環境に晒されないように工夫することも毛髪にとって大切なことです。

当然のことかもしれませんが、身体の健康が毛髪の健康にもつながるということです。

抜け毛=ヘアサイクルの異常 ではない

たまにお客様からのお問い合わせで、抜け毛が増えた気がする…と不安のお声をいただくことがあります。
特にシャンプーを変えたタイミングで抜け毛が増えたように感じると「大丈夫かな…?」と心配になるのも無理はありません。
ですが、多くの場合、心配する必要はないことがほとんどです。

なぜなら、個人差もありますが、髪が1日に50〜150本ほど抜けるのは「正常範囲」。
自然に抜ける髪があることを理解しておくと、無用な不安を避けることができます。

ただし、以下のような場合は注意が必要です。

  • 抜け毛が明らかに急増した
  • 抜けた髪の毛が短く細いものばかり
  • 頭皮が赤みを帯びている、かゆみが強い

このような時は、頭皮に良くないことが起きているかもしれませんので、皮膚科医や専門のクリニックなどに相談することをおすすめします。

ヘアサイクルを整えることが大切

毛髪はヘアサイクルに則って繰り返し生え変わります。
抜け毛があるということは正常なことで、新しい毛髪が生えてきている証拠でもあります。
言い換えると、新しい毛髪が生えてくるためには、毛髪が抜ける必要があるということです。
将来のキレイな髪を手に入れるためにも、日々のシャンプー、食事、睡眠、ストレス管理といった、当たり前のことの積み重ねて、ヘアサイクルを整えていきましょう!

今後も皆さまの髪の健康をサポートできるよう、情報発信を続けていきます。
「髪が変われば気持ちも変わる」そんな体験を一人でも多くの方に届けられますように。

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