シリコーンって、良いもの?悪いもの?

こんにちは。ゆうです。

今回は成分のお話です。
皆さん一度は聞いたことのあるであろう、“シリコーン”についてお話していきたいと思います。

さて、“シリコーン”と聞いて、皆さんどんなイメージがありますか?
ある時お客様からのお電話で、こんなことを言われました。

お客様
お客様

○○のトリートメントを買ったんだけど、これって“シリコン”は入っているの?

ゆう
ゆう

はい、そちらのトリートメントにはシリコーンを配合しております

お客様
お客様

そんなこと商品にもHPにもどこにも書いてないじゃない!怒
なんでそんな危ない成分使ってるの!怒
こんなの使えない!返品してちょうだい!怒

ということで、激しく怒られてしまいました(-_-;)

このお客様のように、一部では“シリコーンは悪者”と思う人もいらっしゃいますが、それは全くの誤解、冤罪なのです!
ノンシリコーンシャンプーとかが流行り出したことをきっかけに?なんだか不運な人生を歩まされているシリコーン。
シリコーンに対する誤った認識を何とか改めたい。誤解を解いてあげたい。
そんな想いも込めて、シリコーンの解説をしていきたいと思います。

シリコーンとは?

シリコーンは“ケイ素”(Si)と“酸素”(O)がくっついた“シロキサン”と呼ばれる骨格に、炭素(C)などがくっついてできた化合物の総称です。
“シロキサン”の長さやそれにくっつく炭素の種類・数などによって、いくつもの種類のシリコーンが存在します。

さてこのケイ素と酸素、私たちの生活と密接な関わりがあります。
実は私たちが暮らす“地球の地殻”を作る元素として知られており、地殻のおよそ75%ほどがケイ素と酸素でできていると言われています。
※地殻:地球の表面を覆っている岩や石のこと。結構身近にありますよね。

そんなシリコーンはキッチン用品・生活用品・食品添加物・電子機器・建築資材・ヘルスケアなど様々な用途があり、化粧品もその一つです。
私たちの身の回りにはシリコーンが使われた製品がたくさんあり、豊かな生活を送っていくうえでは欠かせない成分となっています。
またシリコーンは世界中の市場において長年の使用実績があり、皮膚への刺激やアレルギーなどの報告はほとんどないと言われてることから、安全性の高い成分であり、さらに分解もされにくいため安定性の高い成分でもあります。

しかしヘアケア業界においてはシリコーンは一部では悪者扱いされています。
おそらくノンシリコーンシャンプーがヒットし、それに多くのメーカーが追随してノンシリコーンシャンプーを発売したことがきっかけで世間では「シリコーンって危ないんじゃないの」という雰囲気になり、また“毛穴に詰まる”“カラーが染まりにくい”といった声も出てきて、悪者扱いされているんじゃないかと。
そんな雰囲気で判断されるのは風評被害ですし、毛穴に詰まることもないですし、カラーが染まりにくくなることもないです。
シリコーンの影響ではなく、その製品自体の品質・性能が悪かっただけではないかと思ったりします。笑

正しい名前は? シリコーン? シリコン?

さてここで、名前について。
今回のテーマでは、「シリコーン」についてお話しています。
英語で書くとsilicone。最後が“ne”で終わります。
繰り返しになりますが、“ケイ素”(Si)と“酸素”(O)がくっついた“シロキサン”と呼ばれる骨格に、炭素(C)などがくっついてできた化合物の総称です。

一方、似た名前で、“シリコン”があります。
英語で書くとsilicon。“n”で終わります。

いろんなブログや成分解説などを見ていると“シリコン”と書かれていることもあります。
この“シリコン”、実は“ケイ素”(Si)のこと、つまり元素を表します。
さきほどから出てきている、シリコーンを構成する一つに“ケイ素”がありましたが、これのことです。

なので、“シリコーン”と“シリコン”は名前が似ているので同じものと思ってしまいそうですが、別ものを指します。

無理やり例えるなら、“小麦粉”と“パン”くらい違います。
小麦粉を使ったパンを食べて、「小麦粉食べた!」と言う人はなかなかいないですよね。
それと同じくらい、シリコーンとシリコンは使い分けて欲しいなと思っています。

ケイ素のことを話しているのであれば“シリコン”が正しいですが、化合物の総称としてであれば“シリコーン”が正しい表記になりますので、そのことを踏まえていろんな情報を手に入れてみてください!

ヘアケアにシリコーンは必要?

さて、ヘアケア製品を作るときにシリコーンは必要でしょうか?

ゆうの会社ではトリートメントを作るときに様々なシリコーンを配合します。
ノンシリコーントリートメントの処方も作ることはできますが、どうしてもダメージケア力は劣ってしまいます。
ダメージケアを犠牲にしてでもシリコーンは使いたくない!というのであればノンシリコーントリートメントもアリだと思います。
ですが、しっかり髪のケアをするにはシリコーンが入っている方が良いです。
シリコーンは悪者ではないのですから、避ける理由がありません。

次にシャンプーです。
シャンプーといえば、ノンシリコーンシャンプーは一時期流行りましたよね。
ゆうの会社では流行る以前、数十年前からノンシリコーンシャンプーだったと聞いています。
「シリコーンが悪者ではないのになぜシャンプーに入れないのか?」と思われるかもしれませんが、単純にシャンプーにシリコーンは必要ないからです。
あってもなくてもどっちでも良いという感じです。

調味料でいうと、“うま味調味料”が一部悪者扱いされていることもありますが、うま味調味料は素材の味を引き出して料理をおいしくしてくれる優れものです。
ただ全ての料理に使うものでもなく、作る料理によって使う・使わないがありますよね。
シリコーンも同様で、トリートメントには“味”を決めるのに必要だけど、シャンプーの“味”には必要ないので入れていない、それだけのことなのです。

なので最近でもノンシリコーンシャンプーというのを大々的に打ち出しているメーカーもありますが、ここは企業のマーケティング戦略に騙されないようにしたいところです。笑

ヘアケア製品でシリコーンを使うことによって、

・キューティクルを整える
・髪の摩擦を抑えてさらさらにする
・ツヤツヤの髪にする
・トリートメント効果を長持ちさせる

といった良いことがあります。
シリコーンは総称ですので、化粧品でよく使われる成分(化粧品表示名称)で言うと、
「ジメチコン」「ジメチコノール」「アモジメチコン」「シクロペンタシロキサン」といった名前になります。
それ以外にもたくさんの成分があります。

と言うわけで、基本的にヘアケアにはシリコーンが必要です。
ものによっては必要ない場合もありますし、コンセプトによっても使わない時もありますが、髪をキレイにする、髪を補修するためにはとても優れた成分といえます。

まとめ

シリコーンとは?

シリコーンは“ケイ素”(Si)と“酸素”(O)がくっついた“シロキサン”と呼ばれる骨格に、炭素(C)などがくっついてできた化合物の総称です。
身の回りにある様々な製品に使われている優秀な化合物で、私たちの生活には欠かせない存在です。

正しい名前は? シリコーン? シリコン?

“シリコーン”と“シリコン”は別物です。
“シリコン”というと、ケイ素元素そのもののことを指します。
化粧品に入っているのはたいてい“シリコーン”の方です。

ヘアケアにシリコーンは必要?

髪をキレイにする、髪を補修するために、必要な成分です。
ただしシャンプーなのかトリートメントなのか、どれに配合するかはメーカーによって分かれるところです。

そもそもシリコーンは決して悪者ではありませんので、入っている入っていないを議論する必要はありません。
正しく理解して、自分に合ったヘアケア製品を見つけていきましょう!

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