パーマの仕組みを理科で解説!髪に起こる美しい化学反応

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化学反応

こんにちは。
ヘアケアメーカーで処方開発をしている“ゆう”です。

さて今回は美容メニューの一つである、“パーマ”についてお話ししていきたいと思います。

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パーマは美容師の技術?理科の力?

美容室でパーマをかけるとまっすぐだった髪がふわっとしたカールやウェーブに変わります。
「あれ?どうして髪ってこんなふうに形を変えられるんだろう?」と不思議に思ったことありませんか?

実はこの不思議な変化、学校で習った“理科の世界”と深く繋がっています。

パーマは髪を素材にした“理科の実験”
難しい言葉は抜きにして、今回は髪の中で何が起きているのか、わかりやすく解説していきます。
「理科って苦手…」という方も、きっと楽しく読んでもらえると思いますよ♪

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髪の毛の正体を理科で理解する

髪の毛は、約80~90%が“ケラチン”というタンパク質でできています
そのケラチンは、たくさんのアミノ酸が鎖のようにつながったもの。
そしてこの鎖をつなぐ“結合”が、髪の形や強さを決めています。

その結合の中でも重要なのが“シスチン結合”(S-S結合)
髪の骨組みのような役割を持ち、まっすぐなのか、カールなのか、ウェーブなのかはこの結合の状態で決まります。

イメージとしてブロックのおもちゃを思い浮かべてみてください。
同じパーツでも、組み方次第で“ロボット”にも“お城”にもなるように、髪も結合の組み方次第で形が変わるのです。

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パーマがかかる瞬間、髪の中では何が起きているの?

パーマ

パーマの仕組みはシンプルですが、髪の中では繊細な化学反応が起きています。

・還元剤でシスチン結合をいったん切る
・髪を巻き、希望の形に整える
・酸化剤で切った結合を再びつなぎ直す

切って→形を変えて→再結合
これは“酸化還元反応”といわれる化学反応。
パーマの正体です。

髪の中の結合が変化することで、カールやウェーブのように形が変わります。
ブロックのおもちゃで例えると、一度バラしたブロックを違う形に組み立て直す感じです。

髪の素材は同じでも、組み方次第で見える形が変わる、そんな不思議を実感できます。

コールドパーマとデジタルパーマの違い

パーマには、大きく分けて2つの種類があります。
これらは施術中の温度によって分けられます。

どちらも髪の結合を組みかえている点は同じ。
違いは、“どうやって結合を安定させるか”という点にあります。

コールドパーマ

“コールド”とついていますが、冷やしたりするわけではありません。
特に冷やしたり温めたりせず、自然な温度で施術するパーマのこと。

薬剤の力で結合を組み替え、形を作っていきます。
仕上がりはふんわり柔らかく、ナチュラルな印象になります。

デジタルパーマ

薬剤+熱のダブル作用
薬剤の力で結合を整えつつ、熱の力でしっかりと形をつける施術です。

カールやウェーブがしっかり出て、持ちが良くなります。
パーマがかかりにくい人にもおすすめです♪

美容室で使われる薬剤の役割を、理科で見る

薬剤

パーマのときに使われている薬剤は、一体どんなものなのでしょうか。
一般的には、結合を切るものと、つなげるものの、2種類の薬剤が使われます。

<還元剤>チオグリコール酸、システイン など
髪の結合を切る役割があります。
ちなみに、これは硫黄分子が含まれるので、温泉地を思い出すような独特なにおいがしますね。
パーマといえばにおいが気になる…という方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそのにおい、この還元剤由来なんです。

<酸化剤>過酸化水素、臭素酸 など
還元剤で切った結合を再びつなぐ役割があります。

還元剤や酸化剤の種類によって髪への作用の強さが異なるので、美容師さんは裏で髪質やダメージを見ながら、「どの薬をどれくらいの時間効かせるか」を微調整しています。
薬を長く付けすぎると髪のダメージにつながりますし、逆に付ける時間が短いとパーマのかかりが弱くなってしまいます。
条件次第で仕上がりが変わってしまう、実はとても繊細な施術なんですよね。

パーマ後の髪を守るケア

アフターケア

パーマをかけた直後の髪は、とてもデリケートな状態です。
だから、アフターケアがとても大切。
“髪を洗うとき”“髪を乾かすとき”が髪に負担がかかりやすいタイミングです。
そのためにできることは、例えば次のようなことです。

<髪に優しいシャンプーで洗う>
比較的マイルドなアミノ酸系シャンプーで丁寧に洗うことで、アミノ酸やタンパク質の流出を防ぎ、髪の中の結合を安定にする。

<トリートメントでケラチンを補う>
髪のタンパク質である“ケラチン”をしっかり補給して、髪の中の結合を安定にする。

<乾かすときは丁寧に>
ドライヤーで乾かすときは、髪を引っ張りすぎず、形を整えるように丁寧に。

これらは理科的にいうと、再結合した髪の内部構造を安定化させる作業です。
このケアを怠ってしまうと、パーマの持ちが悪くなることがあります。

また、パーマ後の髪を安定化させるには、しっかりと酸化反応を進めることも大事。
美容室で酸化剤の処理はしていますが、その後も空気に含まれる酸素で自然に酸化反応が進んでいきます。
このときに、“いかに丁寧に髪を扱えるか”が、パーマの持ちに関わってきます。

ちなみに、トリートメントは普段のものより少し軽めのものを使うと、重さでダレにくくなりパーマのリッジは出やすくなります。
一度試してみてください♪

まとめ:パーマは髪に起こる美しい化学反応

美しい化学反応

パーマは、髪の中で起こる小さな化学反応です。

“髪の中の元々ある結合を一度切って、希望の形に整えてから再結合させる”
この一連の流れで、きれいなカールやウェーブを手に入れることができます。

髪の素材は変わらなくても、結合の組み替え方で見える形が変わる。
理科の視点で見ると、パーマは髪に起きる、美しい化学反応なんです♪

美容室で髪を巻くとき、薬剤を塗るとき、そして乾かすとき、その全てが髪の中の小さな化学反応の一部。
少しだけ理科目線でパーマを見ると、普段の美容時間がもっとおもしろく、ワクワクする時間になるかもしれませんよ♪

次にパーマをかけるときは、髪の中の“理科の舞台裏”にも少しだけ注目してみてくださいね。

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