旅する処方開発者が解説!軟水と硬水とヘアケアと

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海外旅行

こんにちは。ゆうです。

さて今回は、海外旅行でのヘアケア事情についてお話ししていきます!

皆さんは海外旅行などである地域に行った時に、
「いつも使っているシャンプーなのに泡立ちが悪いな…」
「髪がゴワゴワする」
と感じたことはありませんか?

実は、“水”が原因かもしれません。
水の性質は、場所によって大きく異なることがあります。
それが、“軟水” “硬水”の違いです。

私も海外を旅する時に気になるのは、現地の水質。
水の性質によって、髪の状態やシャンプーの泡立ちなどが変わります。

そこで、“軟水・硬水が髪にどのような影響を与えるのか”についてヘアケア処方開発者の視点からお話ししていきたいと思います。

旅好きの皆さん、必見ですよ♪

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軟水・硬水とは?

水の性質を分類する指標の一つが、“硬度”です。

硬度というのは、ミネラルの量を表します。
ミネラルが少ないと硬度が低く、多いと硬度が高い、という感じです。

そして水に含まれるミネラルとしては、マグネシウムとかカルシウムとかが代表的です。
ミネラルウォーターとかのミネラルのことですね。

このミネラルの量によって軟水、硬水が決まります。

<軟水>
ミネラルが少ない水。
硬度で言うと、だいたい100mg/L未満の水です。

<硬水>
ミネラルが多い水。
硬度で言うと、だいたい100mg/L以上の水です。

軟水、硬水の違いが、シャンプーの泡立ちや髪の手触りに影響を与えるのです。

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地域によって硬度が変わる理由は?

日本は軟水、海外は硬水、というイメージがあるかと思いますが(私はそんなイメージがありました)、なぜそのような違いが生まれるのでしょうか?

その理由は、“地形の違い”です。

そもそもミネラルはどこからやってくるのか?
それは地球の大地、岩石からです。
私たちの住む地球にはたくさんのミネラルが存在しています。

雨や雪などが、山から海に流れていく間に大地や岩石のミネラルが水に染み込んでいきます。
その時間が短いとミネラル量が少なく、時間が長いとミネラル量が多くなるというわけです。

日本の地形は、傾斜の急な山が多く、国土も狭い。
そのため、山から海に流れるまでの時間が短く、軟水になりやすいのです。

一方、傾斜の緩やかな山で大地の広い地域では、山から海までゆっくりと水が流れていくためミネラルを多く含み、硬水となる傾向があります。
そのような地形が海外には多いため、海外だと硬水というイメージがあるのだと思います。

海外は全て硬水というわけでなく、地形によって海外でも軟水の地域、硬水の地域があると言うことです。

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軟水・硬水がヘアケアに与える影響

シャンプーの泡立ち

シャンプーの泡立ちに欠かせないのが、界面活性剤(洗浄剤)。
界面活性剤があることで、泡が立ち、髪の汚れを落とすことができます。

そしてこの界面活性剤は、ミネラル(マグネシウムやカルシウム)と結合しやすいという性質があります。
界面活性剤とミネラルが結合することで、界面活性剤が本来の役割を果たすことが出来ず、泡立てることが出来なくなってしまうのです。

つまり、シャワーの水が硬水だとミネラルが多いため界面活性剤の機能が落ちてしまい、“泡立ちの悪さ”につながっていくということです。

髪の手触り

ミネラルが髪に残ると、それが指通りの悪さにつながることがあります。
またミネラルが髪の内部に入り込んで髪を弱くしてしまうこともあるようです。
シャワーの水が硬水だとミネラルが多いので、髪のきしみやパサつき、ゴワつきなどが出てくることがあります。

ヘアカラーの持ち

ミネラルが残留した髪では、ヘアカラー時に色ムラが出来やすくなったり、思った色に発色しなかったり、入った色が抜けやすくなったりします。
日本に住んでいると硬水でヘアカラーをすることはなかなかないと思いますので、色ムラや発色についてはそこまで気にする必要はないかなと思います。
ですが硬水の地域でシャワーをする時には、ヘアカラーの色持ちが悪くなることがあります。

硬水でも泡立つシャンプーとは?

日本にいる時と同じようなヘアケアをするためには硬水を軟水にする必要がありますので、なかなか簡単には出来ません。
硬水を軟水に変えるようなシャワーヘッドを使うという方法もありますが、旅行中にこんなことをするのは難しいですよね。
あとは、軟水のペットボトルのお水を買ってそれで洗う、という方法もありますが、ちょっと水が勿体無いですし面倒臭いですよね。

そんな中でも簡単に出来ることは、シャンプーの泡立ちを改善するということ。
硬水用のシャンプーを使うことで、それが可能になります。
とうわけで、処方開発者の視点からシャンプー処方のお話をしていきたいと思います。

これまでもお話ししているように、硬水で問題になるのはマグネシウムやカルシウムなどのミネラル。
それらは金属イオンの一種でもあります。

これらの金属イオンは、ある成分によって活性を低下させることが出来ます。
そのある成分とは、“キレート剤”と言われるものです。
このキレート剤は金属イオンと結合して、金属イオンの働きを低下させます。

つまり、シャンプーにキレート剤を配合することで、泡立ちが悪くなるのを抑えることが出来ます。

代表的なキレート剤としては、
・EDTA(エチレンジアミン四酢酸)
があります。

このような成分が入っていると、硬水でも泡立つシャンプー処方かもしれませんよ。

私が旅した地域別 いつものシャンプー泡立った?

私がこれまで訪れた地域がいくつかありますが、いつものシャンプーが泡立ったかどうかでいうと、こんな感じでした。
(いつものシャンプーとは、ゆうの会社で作ってる硬水用じゃないシャンプーです)

地域いつものシャンプー
泡立つ?
ローマ×
フィレンツェ×
ベネチア×
バルセロナ×
マドリード×
グラナダ×
オスロ
ロフォーテン
ベルゲン
メルボルン
ホーチミン
台北
ボラカイ×

ざっくりとこのような感じでした。
同じ国でも都市によって硬度が違うこともあるようです。

いつものヘアケアアイテムを使いたいのは山々ですが、髪のコンディションを考えるとなかなかそうもいきません。
あまり抵抗せず、現地のホテルのシャンプーを使うことも考えてみてもいいかもしれませんね。

また、シャンプーは現地のものを使って、トリートメントはいつものアイテムにする、というのも一つの手ですね♪
全て現地のものを使うよりは髪の状態は良く保てるかもしれません。

まとめ

今回は、海外旅行時に気になることの一つとして、水の性質の違いについてお話ししてきました。

・軟水と硬水の違い:水に含まれるミネラルの量。少ないと軟水、多いと硬水
・硬水の髪への影響:シャンプーが泡立ちにくい、髪のきしみやパサつきゴワつきが出る、カラーの持ちが悪くなる
・泡立ちを改善するには?:キレート剤配合のシャンプーだと硬水でも泡立ちやすい

海外旅行を楽しむためには、髪のコンディションを整えておくことも大切です。
旅先の水の性質を知っておくと、事前に対策可能な場合もあります。
旅の思い出をより心地良いものにするために、今回の内容をぜひ参考にしてみてください♪

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